コラム
【上司の方必見】「知らなかった」が大問題になるかもしれない。
こんなにあったとは ~令和の上司ハラスメント13~
「今は、“かわいいね”って言うだけでもセクハラになるんだよね」などと気を使うことが増えていませんか?中小企業でも2022年4月からパワハラ防止法がスタートし、ハラスメントへの意識が益々高まっています。自分の行動や言葉がハラスメントに当たらないかとハラハラして仕事をしている上司の方も増えているようです。
前回の記事「「えっ!? これがパワハラになるって本当?」あなたも、知らない間にパワハラを冒しているかもしれない」では、職場で起こるハラスメントの代表格として「パワハラ・モラハラ」の具体例を取り上げました。「え、これもハラスメントになるの?」と驚いた方も多かったようで、早くも人気記事になっています。
今回の記事では、さらに気になるハラスメントについて取り上げます。
一つ間違うと大問題になりかねないセクシャルハラスメント・ジェンダーハラスメント・マタニティハラスメントと、最近注目が高まってきた「ジタハラ」「リモハラ」などについて。さらに「こんなハラスメントあるの?」というハラスメントも取り上げます。
「知らなかった」では済まされないのがハラスメント。まずは知ることから始めましょう。
下記は「部下が、されて不快だったハラスメント」の位置づけで記載しています。「上司の無意識やらかし度」は、上司が悪意を持っていなくても冒しやすい度合いを星の数で表わしたものです(あくまで編集部の独断です。参考程度にご覧下さい)。また、パワハラとモラハラには明確な線引きはできませんが、ここでは便宜的に分類しております。ご了承下さいませ。
~大問題になりかねないハラスメント3~
★セクシャルハラスメント(セクハラ)
性に関する言動によって、部下の心理を害する行為のこと。悪気なく発した言葉がセクハラに該当することもあります。気にし過ぎるほど気にした方がいいですね。
明らかなセクハラ。この時代になって、まさかやってないですよね?
- 「太ったね」と言われた
- 頭をポンポンと触られた
- 妊活状況などについて聞かれた
- 子供いつ出来るのか聞かれた
- 1人目を出産したら「2人目はいつ?」と聞かれた
- 先輩が隣に座って肩に手を回してきた
- 「結婚しないの?」と何度も聞かれた
- 仕事終わって休憩している時に、ノリで横腹触られたりすること
- 妊娠中お腹を触られた
- 髪の毛を切ったら触られた
- 卑猥な画像を送りつけてきた
- 私のTwitterや Instagramのアカウントを探して写真を保存していた
- 声かければいいのに肩を触って呼び止める
意図的でなくても、やられた側は「気持ち悪い」と感じているかもしれません。
- 「がんばれよ」と肩をポンと叩かれた
- 飲み会でパートナーの有無を尋ねられた
- 仕事中に肩を揉まれた
- 家の場所や家族構成について聞かれた
- 毎日「かわいい」と言われた(ノイローゼ気味になった)
- 他の社員がいる前で「最近彼氏とどう?」と聞かれた
- パソコン仕事をしている時に、二の腕を触られた
- 近づく必要もないのに、やたら近づいてしゃべってくる
- 下ネタスレスレの話をしてくる
- しつこく2人での食事に誘われた
セクハラの気もちもなどなく好意のつもりでも、部下が不快に感じればセクハラです。
- 着ている洋服をジロジロ見られて褒められた
- 「痩せた?」と言われた
- 同性の上司から「結婚しないのか」としつこく言われる
★マタニティハラスメント(マタハラ)/パタニティハラスメント(パタハラ)
上司の無意識やらかし度★★★
妊娠や出産・育児を理由に、部下を働きづらくする行為のこと。女性に対してのマタニティハラスメントだけでなく、男性に対してのパタニティハラスメントへの意識も高まっています。昭和の感覚が残っているとかなり危険です。
- 「出産したら辞めるんでしょ」と言われた
- 育休復帰後、陰口を言われていた
- 気を使ってくれているのだろうけど、責任のある仕事を任せてもらえない
- 「結婚て、女性の幸せだよね」と断定してくる
- 検診で休暇を申請したら、小さく「またか」とつぶやかれた
- 上司に育休の相談をしたら、「自分の立場、考えてね」と言われた
- 育児があり残業できないことを伝えたら「そういう時代だしね」と理解してくれたような言葉だけど「仕事が回るならね」とプレッシャーをかけられた
- 育休の相談をしたら「男なのに?」と聞かれた
- 「育休を取ってもいいけど、復帰した後はどうなっているか分からないからね」と煽られる
男女の性差によって役割が違うという性別に基づくハラスメント。悪意なく無意識的に冒している可能性があります。昭和感覚を残したままだと、やらかしてしまうでしょう。
- 失敗した時に「男のくせにメソメソするなよ」と言われた
- 仕事がうまくいかなかった時にフォローのつもりなのか「女の子だから」と言われた
- 来客へのお茶提供が女子社員の役割になっている
- 「男なら家族を食わせていかなきゃな」と言われた
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いかがでしょうか?
「マズい…言ったことがある」「やったことがある」という項目も含まれていたのではないでしょうか?上司側も意識をアップデートしないとハラスメントリスクは益々高まっていくでしょう。
ここまではWEBアンケートの回答と編集部スタッフの知人へのアンケートを元にした事例を記載いたしました(読みやすくなるよう編集含む)。この後は最近注目が高まっているハラスメントの概要を解説いたします。
~令和に追い付いている!? 最近増加中のハラスメント4~
近年顕著になってきたハラスメントです。知らないと時代に取り残されているかも。いくつ知っていますか?
「働き方改革」を謳って、実態にそぐわない時短を求めるハラスメントのこと。会社の体制や仕組みが整っていないと起こりやすいハラスメントです。
- 終わらない業務量だと分かっているのに、「早く帰れ」など残業をさせないような指示
- 「残業禁止」として、暗に自宅でのサービス残業を強いること
- 「今日くらい早く帰りな」と気遣う体裁でも、実際には終わらない業務量 など
リモートワーク環境を通してのパワハラやモラハラなどのことです。リモートで上司の目が届きづらいからと部下を疑ったり、部下の様子や映る部屋の様子を異常に監視したりすることも該当します。
- ネット環境が悪くて会議の時間に間に合わなかったとき「酒でも飲んでたのか」などの発言
- 常にWebカメラを繋げた状態の強要
- 業務内容の報告を過度に求めること(信用していない)
- 部下のWebカメラに映った小物などを褒めること(部屋を注視する) など
新型コロナウィルスの感染に関するハラスメントです。コロナ感染をきっかけに業務を任せなかったり、疑いの目を向けたり。少し収まってきたとはいえ、デリケートな問題です。
- 咳をした部下に対して「コロナ?」などと言うこと
- 「あの人がコロナを持ち込んだから広がった」など噂すること
- 濃厚接触者に該当して会社を休んだ部下にたいして、出社後に冷遇すること など
パソコンやスマホの知識不足を指摘することによるハラスメント行為です。アプリなどは若い人の方が得意なことが多いですが、パソコンを使い慣れていない部下への態度はハラスメントに該当するかもしれません。
- 「まだ入力できていないの?」など部下のスキル不足を追及すること
- 「こんなのに時間かかっているの?ChatGPT使えばすぐなのに」などプレッシャーをかけること
- パソコンが苦手な部下に対して、メールでの日報提出を強要すること など
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働き方改革や新型コロナの影響、デジタル機器の進化により仕事の環境も変わりました。その中で高まってきたハラスメントたちです。意識を高く持っていないと危険ですね。
最後に、まだ社会への浸透度は高くないかもしれないけれど、冒してしまうと危険なハラスメントを紹介します。
~意外!? 知らない人が多いハラスメント6~
「これも!?」と驚くかもしれません。意図的でなくても、部下が不快な思いをしていたらハラスメントになってしまうのです。知らない上司はハラスメントリスクを抱えたまま。今日から意識を高めましょう
ハラスメント被害を受けて、相談や申告をした部下が2次被害を受けることです。このようなことがあっては、会社にいるのが嫌になってしまいますね。
- 部下が、自分(上司)のパワハラを会社に申告したことを知り、その部下を冷遇すること
- 「露出の多い服を着ているからセクハラされるんだ」などと被害者の責任を追及すること
- 「お前の部下が、お前がパワハラをしていると相談をしてきたんだけど」と加害側に伝える など
飲酒を強要するハラスメントのこと。一緒に楽しく飲みたい気持ちはわかりますが、飲めない人・飲みたくない人に強要してはいけないですね。
- 飲み会に参加するのが当たり前ようにすること
- 行きたがっていない部下を上司の立場を使って飲みに誘うと
- ソフトドリンクを注文した部下に「少しくらい飲もう」とアルコールを飲ませること など
カラオケが好きではない人に強要したり、それを元に仲間外れにしたりするハラスメントのことです。カラオケが好きな人もいれば、好きじゃない人がいますから。
- カラオケが苦手な部下に「順番だから、お前も一曲歌えよ」と強要すること
- 上司が部下にマイクを持たせてデュエットを強要すること など
エアコンの温度調節にまつわるハラスメントと、場の空気に関するハラスメントがありますが、ここでは「エアコンの温度調節」のハラスメントを取り上げます。男女で体感温度には2-5℃もの差があるって知っていましたか?
- 上司がエアコンの設定温度を、自分の主観で下げたりあげたりすること
- 節電対策と称して、真夏でもエアコンをつけないこと など
キツイ臭いによるハラスメント。体臭や口臭、香水によって周囲に不快感を与えるハラスメントのことです。年齢が高まるにつれて加齢臭と呼ばれる体臭も発生します。周囲が指摘しづらいデリケートなハラスメントですから、まずは自分を気にしてみることから始めましょう。
- 自分では気づかないうちに口臭/体臭が強くなっていること
- 付けている香水やコロンの香りが、周囲に影響を与えていること など
スメハラの一種ですが、独立させて「スモハラ」として扱います。受動喫煙によるハラスメントです。タバコを吸う上司の方はよくよく気をつけましょう。ちなみに最近は「逆スモハラ」と言って、非喫煙者が、喫煙者に禁煙を過度に求めるハラスメントもあるようです。
- 部下との食事の席で、タバコを吸わない部下の前で断りなくタバコを吸うこと
- 車での移動時に、吸わない部下の隣で上司がタバコを吸うこと
- 休憩室でタバコを吸った上司の臭いで、部下が不快に感じること など
いかがでしたでしょうか?
本記事では令和時代に起きやすいハラスメント13種類について取り上げました。前回の記事「「えっ!? これがパワハラになるって本当?」あなたも、知らない間にパワハラを冒しているかもしれない」と併せて活用し、職場ハラスメントの防止に役立ててください。
ハラスメントは上司側に意図があったかどうかではなく、部下側がどう感じたかの問題です。
仮に同じ言動だとしても、部下との関係性によってはハラスメントになったり、ならなかったりします。日々部下と向き合って、関係性を深めることがハラスメント防止にも役立ちます。
・・・とはいえ、仲良くなろうとして飲みに誘ったら、パワハラやアルハラになったり。難しいですね。
相手の立場になって考える習慣をつけること、ここからはじめましょう。
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