エゴグラムとは

エゴグラム

エゴグラムとは、アメリカの心理学者エリック・バーンが創始した性格診断テストです。人間の心を<CP・NP・A・FC・AC>という5つの自我に分類し、その5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高低と組み合わせで性格を診断していきます。

エゴグラムの<5つの自我>は以下の通りです。

CP(Critical Parent)厳格な親の自我
イメージ

厳格な父親のような自我です。両親の教育、先生からの教え、社会のルールや規範等から影響を受けた自我状態を意味します。CPが強い人は、理想を掲げ、責任感が強く、秩序を重んじる等の良い面を発揮する一方で、独善的な態度で他人にマウントを取ったり、権威に媚びたり、攻撃的に立ち振る舞ったりことがあります。

NP(Nurturing Parent)優しく、世話好きな親の自我
イメージ

優しい母親のような自我です。優しさ、慈しみ、助けたいと思う自我状態を意味します。NPが強い人は、あたたかい雰囲気を醸し出し、人を受け入れる態度で接してくれます。その一方で、お節介が過ぎたり、甘やかしたり、過保護な振る舞いで人の自立を妨げてしまうことがあります。

A(Adult)理性的な成人の自我
イメージ

大人らしく、理性的で客観的なバランスの取れた自我です。Aが強い人は、合理的な判断に優れ、落ち着いて、客観的事実に基づいて意思決定をします。一方で、計算高く、打算的で、理屈っぽい印象を与えてしまうことがあります。

FC(Free Child)感受性豊かで自由奔放な子どもの自我
イメージ

感情表現が豊かで、遊び心に満ちた子どもの自我です。感情的、本能的でクリエイティブな自我状態を意味します。FCが強い人は、大人になっても喜怒哀楽を表に出したり、無邪気な立ち振る舞いで場を盛り上げたりします。一方で、場をわきまえずはしゃぎ過ぎたり、自己中心的、衝動的な言動が目立ってしまうことがあります。

AC(Adapted Child)周囲の期待に応えようとする従順な子どもの自我
イメージ

従順で、大人の顔色を伺う子どもの自我です。素直で協調性に優れ、自分の感情を抑制する自我状態を意味します。ACが強い人は、大人が喜ぶ「いい子」として、行儀よく振る舞い、周囲の期待に沿う努力を惜しみません。一方で、主体的な決断が苦手で、依存心が強く、場合によっては敵意を温存するような心理状態になることがあります。

分類 良い面 悪い面 この部分が強いとよく出る言葉や態度 この部分が不足した場合によく出る言葉や態度
CP
父親
理想
良心
正義感
責任感
権威
道徳的 など
非難
強制
権力
排他的
攻撃的 など
「バカだなぁ」「ダメだなぁ」「出来て当然」「そんなの当たり前」「~すべきだ」他人を見下す態度・断定的な物言い 無責任になる・ルールや約束を守らない・お金や時間にルーズになる・計画性が低い・「いざ」という時でも頑張らない・ノーと言わない・批判せず何でも「いいね」と言う
NP
母親
思いやり
優しさ
共感・同情
面倒見の良さ
寛容・許し など
甘やかし
過保護
過干渉
お節介
沈黙 など
「よかったね」「よくできたね」「まかせてね」「かわいそうに」世話をやきたがる・安心感を与える・優しく柔らかい態度 冷淡になる・拒絶的・他人のことはどうでもよいという態度・自分勝手・天動説的立ち振る舞い・罪悪感を抱きにくい

成人
知性・理性
論理的・客観的
現実志向
落ち着き・冷静
感情抑制 など
打算的・損得勘定
理屈っぽい
データ至上主義
自然無視
無表情 など
「なぜ?」「比較すると・・・」「結論から言うと・・・」「ポイントは3つです。1つ目は・・・」「具体的に言うと・・・」理詰めでくる・計算高い・言質を逃がさない 要領が悪い・優柔不断・決断力に欠ける・現実に疎い・杜撰・状況判断が狂いやすい・感情的になりやすい・自分を抑えられない・事実と解釈を混同する
FC
自由
天真らんまん
無邪気
豊かな感情表現
直感力
創造力 など
衝動的
わがまま
傍若無人
無責任
無神経
調子に乗る など
「ヤッター」「わぁスゴイ」「エーッ本当」擬態語・擬音語が多い・はしゃぐ・無邪気・自分の感情を優先する・表情が豊か 自己主張を控える・ストレスを貯めやすい・無気力・白けている・無表情・やりたいことをやらない・羽目を外さない
AC
従順
素直
我慢強い
慎重
周囲の期待に添う努力
従順 など
主体性の欠如
内閉的
依存的
消極的
自己束縛
敵意温存 など
「どうせ私なんか」「よくわかりません」「他の人はどうですか」「その考えでいいです」常にオドオドしている・人にさからえない・旗色を鮮明にしない 空気を読めない・思いやりに欠ける・気遣いができない・反抗的になる・独善的になる・頑固になる・謝罪ができない・対人トラブルが多い

※点数が高い自我は、良い面と悪い面の両方が出やすい傾向にあります。