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離職原因は“不満のかけ算”で膨らんでいる~人事部が気づいていない社員の隠れ不満7選~

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離職の本当の原因は?

「その不満、もっと早く教えてくれたら対処できたかもしれないのに…どうして言ってくれなかったんだろう?」と悔やんだ経験はありますか?社員さんの急な離職は怖いですよね。人手不足になるだけでなく会社の力が減退してしまいますから。

できるなら、離職理由を突き止めて対処したいものです。とは言え、辞めると決めた社員さんに理由を聞いても、なかなか本音は聞き出せないのではないでしょうか?

下記は内閣府が発表した「初職の離職理由」です。こちらを見てどう感じますか?

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出典:特集 就労等に関する若者の意識(内閣府サイト)より

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/s0_0.html

値の高い順に並べ直すと下記のようになります。
1位 仕事が自分に合わなかったため
2位 人間関係がよくなかったため
3位 労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため
4位 賃金がよくなかったため
5位 ノルマや責任が重すぎたため

これらの理由は「きっと正しい」のです。でも、この情報だけでは解決策を作ることは難しいでしょう。上記の理由は漠然としているからです。会社として解決策を練るならば、もっと離職理由を具体化しないといけません。

不満は“かけ算”で膨らんでいる

離職原因となる不満は、一つの出来事で急に大きくなる場合よりも、小さな不満が積み重なり、かけ算となって膨らむ場合が多いのです。

では、日常の業務で発生する「小さな不満」には、どのようなものがあるのでしょうか?小さな不満は顕在化していないので、人事部や経営者は気づいていないことがほとんどです。

会社が気づいていない 隠れ不満7選

下記の7つは、実際に現役で勤務している社員さんからヒアリングした「業務上のストレス」を分析してまとめたものです(当社が実施しているレジリエンス研修内のワークで得られた生々しいレポートを元にしています。業種や個人が分からないように多少修正しています)。

1同僚が職場のルールを守らない
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「書類の定位置が決まっているのに、いつも違う所に置いてある。戻してくれない」
「休憩時間は決まっているのに、いつもほんの少し遅れてくる。確信犯としか思えない」

2上司が自分勝手(に見える)
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「こっちは指示された業務をこなしているのに、指示した側の上司は暇そうにしている」
「上司が手伝いに来るのは楽な業務だけ。面倒な業務は見て見ぬふりをしている」

3職場のメンバーの機嫌に振り回される
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「同僚が、あからさまに備品を雑に扱うことがある。自分のせいで機嫌が悪くなったんじゃないかと気を使う」
「上司がイライラしているが分かるので、気を使うし相談もしづらい」

4部下・後輩が期待通りに動いてくれない
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「後輩にお願いした仕事が終わってないのに、いつの間にか帰宅していた」
「部下に指示をした業務について、こちらから状況を聞かないと報告が無い。なめられているんじゃないか」

5自分自身への劣等感が高まる
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「上司や先輩たちは仕事ができるのに、自分だけ売上が低くて肩身が狭い」
「責任ある仕事を任されたけれど自信がない。そして成果が出ない」

6“私だけ大変”と被害者意識が高まる
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「なぜか自分だけ上司から支持される仕事が多い。特に雑務」
「自分は同時に何件も対応しているのに、他のスタッフは1つだけで不公平に感じる」

7理不尽な指示を被る
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「企画案を出すように指示されたけれど、今まで実現したためしがない。ムダなことが分かっているのに時間を使いたくない」
「上司の対応で起きたクレームなのに、対応を任されるのが嫌だ」

いかがでしょうか?
前述の離職理由の実情は、このような不満だったりします(これ以外も多々あると思いますが)。ただ、これらの不満を読んで「なるほど、これじゃ不満が溜まるなぁ」と理解はできても、人事担当としてはスッキリしていないのではないでしょうか?

なぜなら、「これらの隠れ不満をすべて解消する」ことは不可能だから。組織は人間の集まりです。完ぺきな人はいませんから、必ず摩擦は起こります。こうした職場の不満をすべて解消することはほぼ不可能でしょう。では、これらの隠れ不満は放っておけばいいのか。それでは離職率を下げることはできません。現実的な策を取りましょう。それは、これまでとは〔逆の考え方〕による策になります。

隠れ不満を解消する現実的な方法とは?

隠れ不満を無くすことが現実的には不可能ならば、逆から対策を講じましょう。受け手(不満を感じる側)に【受け取り方のスキル】を身につけてもらうのです。すると、状況が一変します。
ストレス(不満)を感じることがあっても、冷静に状況を捉え直して、前向きな思考に書き換えることができれば、その不満はなかったことになります。このように不満要因を自ら解決できるスキルが「レジリエンス」スキルです。個人のストレスが高まりやすい昨今、注目が高まっているスキルであり、研修などを通じて身につけることができます。
※参考「レジリエンスの表の顔と裏の顏とは」

まとめ

いかがでしたでしょうか?
職場ではどうしてもストレスは生じます。社員さんのレジリエンススキルが高まっていれば、不満が膨らむ前に自然と解消されます。離職率も下がっていくことでしょう。

●レジリエンススキルが低い場合
ストレス原因の発生→不満/ストレス→積み重なって膨らむ→離職

●レジリエンススキルが高い場合
ストレス原因発生→不満/ストレス→状況の捉え直し→ポジティブ転換→不満解消→定着率アップ

このように、不満の発生原因を取り除くよりも、受け手の「捉え方スキル」を高めて解消する方が現実的には近道です。

当社では、レジリエンスのスペシャリストによる社員研修を提供しています。「離職率が下がらない」「社員のストレスが高まっている」というお悩みがありましたら、お気軽に相談下さい。

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