コラム
エゴグラムから見た「性別」「年代」「階層」による性格の違い
弊社のレジリエンス研修では、アメリカの心理学者エリック・バーンによって生み出された性格診断テスト、エゴグラムを実施しています。このテストでは、人間の心をCP・NP・A・FC・ACという5つの自我に分類し、その組み合わせと強度に基づいて性格を診断します。
ちなみに、弊社代表の小川のスコアは、こんな感じです。
CP:28、NP:22、A:25、FC:16、AC:10
それぞれ満点は30点で、
- 高い・・・22点以上
- ふつう・・・15点以上22点未満
- 低い・・・15点未満
が目安です。
小川の場合は特に「CP」と「A」が高いので、「厳格で頭の固い頑固親父」といったイメージを持っていただければよいかと思います(笑)
これまでは紙の検査用紙を使用してエゴグラム診断をしてきたため、データの収集や分析を手元で行うことはありませんでした。しかし、最近はGoogleフォームとスプレッドシートの利用により、入力フォームと回答・集計フォームを簡単に作成できるようになったため、GW明けからエゴグラムのデータの蓄積を始めました。 そうして集まったデータが手元に329人分あります。これを【性別】【年代別】【階層別】に整理してみました。
※あくまでもN(母集団のデータ)の平均点なので、大きな特徴が出にくくなっています。また、入力漏れがあるデータも含まれているため、Nの合計が必ずしも329になりません。
N | CP | NP | A | FC | AC | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 194 | 16.8 | 19.7 | 16.8 | 16.7 | 17.2 |
女性 | 134 | 16.1 | 21.3 | 15.5 | 18.7 | 18.5 |
- CPに大きな差は見られない。
- NPは女性の方が高いが、男性も5つの自我の中で最も高く、小さい頃から親や先生から「人にやさしく」と教育されてきた影響が出ている。
- Aは男性の方が高く、論理的、合理的に考えることが得意である。
- FCは女性が2.0ポイントも高く、感情表現が豊かである。
- ACは男女ともにまずまず高い。
N | CP | NP | A | FC | AC | |
---|---|---|---|---|---|---|
20代 | 141 | 15.9 | 21.4 | 15.8 | 18.1 | 18.8 |
30代 | 103 | 16.5 | 18.9 | 16.6 | 16.8 | 17.5 |
40代 | 38 | 16.5 | 21.0 | 16.1 | 17.6 | 16.9 |
50代 | 36 | 18.1 | 19.5 | 17.0 | 16.5 | 15.8 |
60代 | 11 | 18.2 | 20.1 | 16.3 | 17.9 | 15.4 |
- CPは50~60代とそれ以下とで明らかに違いが見られる。本データの50~60代の多くは管理職層、経営職層であることも影響していると思われる。
- NPは年代に関係なく、5つの自我で最も高い。50年以上前から「人にやさしく」教育が脈々と受け継がれていることとがわかる。
- 20~40代はAが5つの自我の中で最も低い。論理的、合理的に思考し、判断するのが苦手。かと言って、50代、60代も特別高いわけではない。
- FCに年代別の特徴は見られないが、ACは年代が若いほど高くなる傾向が見られる。若者が何の前触れもなく、退職を申し入れてくる等、おじさんたちには理解しがたい行為に出てくるのはこのあたりの結果と関係があるのかもしれない。
N | CP | NP | A | FC | AC | |
---|---|---|---|---|---|---|
一般職層 | 198 | 15.9 | 20.4 | 15.9 | 17.6 | 18.1 |
管理職層 | 85 | 15.3 | 19.2 | 16.3 | 16.4 | 17.4 |
経営職層 | 25 | 20.0 | 21.8 | 17.9 | 18.4 | 15.1 |
- 経営職になる人は、平均してCPが高い。管理職のスコアが一般職とほぼ同水準。叱れない上司がたくさん出現している一因を見た気がする。
- NPは階層に関係なく、高いスコアが出ているが、CP同様に経営職が最も高い。
- Aは階層別にキレイにグラデーションしていて、階層が高くなるにつれてスコアも高くなっている。
- FCは階層による傾向はなく、人それぞれといったところか・・・。
- 経営職はACのスコアが低く、他人の意見を聞き入れず、自分のやりたいようにやる人が多いと推察する。一方で、一般職はACのスコアが高く、自分の思っていることを言えず(言わず)、内に秘めていると考えられる。
データを見て気になるは、若者や一般職層のACの高さです。
これまでたくさんのエゴグラムを見てきて、日本人に多いのはNPとFCが高いM型とNPとACが高いN型だということは認識していましたが、今回データを取ってみて、予想以上にN型の人材が多いことに気づきました。
5月に入って耳にした、「新入社員が突然出社してこなくなったり、退職願を出してきたり・・・」という話はこの辺りの変化と無縁ではないのでしょう。
今後も分析を続けていきたいと思います。
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